Nature ハイライト

物性物理学:トポロジカル相の超高速制御

Nature 565, 7737

固体における新規トポロジカル相の探索は今も続いているが、将来的にデバイスに応用するには、そうした相を動的に制御する必要がある。使用するデバイスと材料によっては、異なる相の間のスイッチングが、さまざまな外場によってさまざまな時間スケールで誘起される可能性がある。今回A Lindenbergたちは、テラヘルツ光パルスによって、ワイル半金属WTe2においてトポロジカル相と自明な相の間で転移が誘起されることを実証している。この超高速転移は、レーザー誘起せん断ひずみを用いて実現され、格子の対称性が変化して、準安定な中心対称性の相になる。こうした知見は、トポロジカル特性の制御が、テラヘルツの時間スケールで場によって駆動される格子変形を通して実現される可能性を実証するものであり、その結果得られる超高速トポロジカルスイッチは今後のデバイスの出発点となる可能性がある。

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