Nature ハイライト
神経科学:平行した経路が疼痛経験に対して異なる行動応答を駆動する
Nature 565, 7737
侵害刺激は、ヒトや動物で2つの別個の行動応答を引き起こす。損傷を防ぐために即座に身を引く防御的行動と、その後の、損傷した部位の疼痛を緩和するための対処応答である。これらの2つの行動プログラムが神経回路のレベルでどのように関連しているのかについては、まだほとんど分かっていない。今回Q Maたちは、疼痛を生じさせる侵害刺激を経験した後の損傷部位への疼痛緩和応答を直接的に制御する脊髄中のニューロンの特定のサブタイプを明らかにしている。このサブタイプが含まれる回路は、侵害刺激経験中に起こる防御的応答には完全に無関係である。この研究は、疼痛関連情報を末梢から脳へ伝達する異なる別個の経路があり、それぞれが全く異なる行動応答を制御していることを示している。体性感覚系におけるこの下位区分を考慮することは、どちらか1つの経路にのみ影響する可能性のある前臨床疼痛研究の結果を解釈する際に重要である。
2019年1月3日号の Nature ハイライト
電子デバイス:スピントロニクス論理で計算する
構造生物学:プロテアソームがとる7つの状態のクライオ電子顕微鏡構造
物性物理学:トポロジカル相の超高速制御
氷河学:グリーンランドの融解水がメタンを大気に放出させる
考古学:東洋のルヴァロワ
神経科学:平行した経路が疼痛経験に対して異なる行動応答を駆動する
植物科学:親世代の形質を保持するクローンイネ
生化学:代謝で腎臓損傷を予防
タンパク質設計:設計して作られたタンパク質ペア
化学生物学:アシル中間体を捕捉する