Nature ハイライト
地球化学:揮発性物質に富むバミューダ諸島の生成源
Nature 569, 7756
プレート境界から離れた所に見られるプレート内火成岩区から、地球マントルの組成と不均一性に関する試料が直接得られる。今回S Mazzaたちは、バミューダ諸島の起源が、液相濃集(不適合)元素と揮発性物質がかなり豊富なメルトを特徴とし、同位体特性が独特で極端なこれまで知られていないマントル領域であることを示す証拠を提示している。バミューダ諸島は、海洋底でこれまでに報告された中で放射性崩壊によって生じた鉛同位体が最も多く、他の同位体測定の結果と組み合わせると、バミューダ諸島の供給源の年代が6億5000万年前より新しいことが示唆された。著者たちは、バミューダ諸島の供給源は、遷移層内での液相濃集元素と揮発性物質の再循環と貯蔵に由来する新しい一時的なマントル貯蔵庫であり、パンゲア大陸形成時の沈み込み事象に関連していたと解釈している。
2019年5月16日号の Nature ハイライト
量子物理学:量子シミュレーションの新しい方法
糖尿病:インスリン産生細胞への道筋を解明
惑星科学:月の裏側のマントル鉱物
地球化学:揮発性物質に富むバミューダ諸島の生成源
人類学:高地に適応していたデニソワ人
分子生物学:マイクロRNAによるブタの心臓修復がもたらす悪影響
がん:RBタンパク質は腫瘍発生のさまざまな段階で機能する
腫瘍免疫学:免疫療法の副作用を防止する
生物工学:塩基エディターのトランスクリプトーム規模での編集活性
分子工学:金の針でとじられた奇抜なタンパク質ケージ