Nature ハイライト
分子工学:金の針でとじられた奇抜なタンパク質ケージ
Nature 569, 7756
金属リガンドの配位(コーディネーション)は、タンパク質多量体の人工設計で天然のタンパク質界面の複雑性を回避する方法として提案されている。今回、J Heddleたちは、タンパク質サブユニットにスルフヒドリル基を導入し、金(I)-トリフェニルホスフィン化合物を使ってタンパク質サブユニットの超分子集合を進行させ、通常の多面体では数学的に不可能と見なされている対称性のタンパク質ケージを作り出した。このケージは金属付加により誘導可能で、他の点では極めて安定だが、細胞内部のような還元的環境では溶解する。そのため、将来は薬剤輸送装置として応用されることが考えられる。
2019年5月16日号の Nature ハイライト
量子物理学:量子シミュレーションの新しい方法
糖尿病:インスリン産生細胞への道筋を解明
惑星科学:月の裏側のマントル鉱物
地球化学:揮発性物質に富むバミューダ諸島の生成源
人類学:高地に適応していたデニソワ人
分子生物学:マイクロRNAによるブタの心臓修復がもたらす悪影響
がん:RBタンパク質は腫瘍発生のさまざまな段階で機能する
腫瘍免疫学:免疫療法の副作用を防止する
生物工学:塩基エディターのトランスクリプトーム規模での編集活性
分子工学:金の針でとじられた奇抜なタンパク質ケージ