Nature ハイライト

分子生物学:マイクロRNAによるブタの心臓修復がもたらす悪影響

Nature 569, 7756

心筋梗塞を起こしたマウスの心臓にウイルスベクターでマイクロRNAを送達すると、心臓の再生が促進されることが明らかになっている。今回M Giaccaたちは、大型動物モデルでこの治療法の応用を試みた結果を報告している。梗塞したブタの心筋にヒトmiR-199aをコードするアデノ随伴ウイルスベクターを送達したところ、1か月後に心臓の修復と心機能の改善を示す証拠が認められた。しかし、治療後およそ7週間で、数頭のブタが不整脈による突然死を起こした。この研究は、マイクロRNA治療による心臓の修復は大型動物モデルでも可能だが、マイクロRNAを制御せずに発現させ続けると深刻な副作用を生じる恐れがあることを示している。

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