Nature ハイライト
神経科学:自閉症モデルの作製
Nature 570, 7761
SHANK3遺伝子の変異は、自閉症スペクトラム障害の強いリスク因子である。これらの変異は齧歯類でモデル化されているが、齧歯類の行動や脳は、ヒトのものとは大きく隔たっている。G Fengたちは今回、系統発生学的にヒトにより近いカニクイザル(Macaca fascicularis)で、遺伝子編集技術を用いてSHANK3変異を作製したことを報告している。これらのサルは行動と神経の両方でさまざまな異常を示し、そうした異常はヒトでの機能障害で見られるいくつかの側面に類似していた。この研究は、ヒト自閉症スペクトラム障害の機構に関する仮説や治療法を検討するためのモデルを樹立する上で有望な進歩となる可能性がある。
2019年6月20日号の Nature ハイライト
神経科学:自閉症モデルの作製
神経科学:アルツハイマー病の進行の分子的概観
免疫学:NLRP3活性化の機構
材料科学:ナノチューブにおける増強された光起電力効果
ナノスケール材料:ねじれたファンデルワールスナノワイヤー
材料科学:応力で現れる構造色
進化学:性選択への新しい道筋
細胞生物学:断片化がミトコンドリアの選択を引き起こす
がんゲノミクス:がんの検出における無細胞DNAの断片化解析
構造生物学:一般市民によるタンパク質設計