Nature ハイライト
構造生物学:一般市民によるタンパク質設計
Nature 570, 7761
GalaxyZooやEyewire、Phylo、EteRNAといったオンライン市民科学プロジェクトは、ヒトのパターン認識技能をうまく活用してきたが、創造性はあまり用いられてこなかった。D Bakerたちは今回、オンラインゲーム「Foldit」のプレイヤーたちにde novoなタンパク質設計という難問で挑み、これがかつてない成功率と構造の多様性をもたらす結果となった。天然のタンパク質には見られない折りたたみ方1つを含む、20種類の折りたたみ構造が得られたのである。Folditプレイヤーによる設計を大腸菌(Escherichia coli)で発現させたところ、その多くで安定な折りたたみと可溶性が観察された。著者たちはさらに、プレイヤーによる4つのモデルについて高分解能構造を決定し、設計が正しいことを実験によって証明している。
2019年6月20日号の Nature ハイライト
神経科学:自閉症モデルの作製
神経科学:アルツハイマー病の進行の分子的概観
免疫学:NLRP3活性化の機構
材料科学:ナノチューブにおける増強された光起電力効果
ナノスケール材料:ねじれたファンデルワールスナノワイヤー
材料科学:応力で現れる構造色
進化学:性選択への新しい道筋
細胞生物学:断片化がミトコンドリアの選択を引き起こす
がんゲノミクス:がんの検出における無細胞DNAの断片化解析
構造生物学:一般市民によるタンパク質設計