Nature ハイライト
化学:自動的に進むナノリボン合成
Nature 571, 7765
グラフェンナノリボンの特性は、長さ、幅、エッジ構造によって決まるため、合成時にこれらのパラメーターを精密に制御できることが重要である。表面重合法には制御性が良好な方法もあるが、溶液中の合成では、溶液法の簡便さが支持され、制御性が犠牲になることが多い。今回、伊丹健一郎と伊藤英人(名古屋大学)たちは、「リビング」重合にヒントを得て、長さ、幅、エッジ構造の3つのパラメーターを同時に全て制御できる溶液系合成法を報告している。幅とエッジ構造はモノマーの選択によって決まり、長さはモノマーと開始剤の混合比で決まる。今回の手法は、重合に自在性をもたらし、ブロック共重合体型グラフェンナノリボンの合成も可能にしている。
2019年7月18日号の Nature ハイライト
計算化学:反応予測が容易に
進化学:胚発生の細胞別トランスクリプトミクス
遺伝学:単一細胞ジェノタイピング
神経科学:大脳皮質の符号化構造
生化学:脂質二重層の単層間で脂質が移動する仕組み
物性物理学:擬ギャップの温度を測る
工学:アリから着想を得たロボット
化学:自動的に進むナノリボン合成
気候科学:海面水温記録の問題を修正する
生化学:mRNAの液–液相分離能はm6Aによって増強される
構造生物学:ミトコンドリア内での分裂