Nature ハイライト
気候科学:海面水温記録の問題を修正する
Nature 571, 7765
海面水温の現在の見積もりは、20世紀前半に北大西洋と北東太平洋が急激に温暖化し、北西太平洋が寒冷化したことを示している。こうした傾向は、よく理解されていない内的変動や未知の外部強制力の重要な役割を示唆している可能性がある。あるいは、この傾向自体に問題があるのかもしれない。今回P HuybersとD Chanたちは、海面記録の難解な歴史に徹底的に取り組み、意外な問題点を発見している。例えば、日本の記録の一部は、デジタル形式に変換する際に整数化されていた。「均質化」によってさまざまな奇妙な点を調整すれば、温暖化パターンと寒冷化パターンの両方が縮小し、新奇な機構や強制力の必要性はほぼなくなる。
2019年7月18日号の Nature ハイライト
計算化学:反応予測が容易に
進化学:胚発生の細胞別トランスクリプトミクス
遺伝学:単一細胞ジェノタイピング
神経科学:大脳皮質の符号化構造
生化学:脂質二重層の単層間で脂質が移動する仕組み
物性物理学:擬ギャップの温度を測る
工学:アリから着想を得たロボット
化学:自動的に進むナノリボン合成
気候科学:海面水温記録の問題を修正する
生化学:mRNAの液–液相分離能はm6Aによって増強される
構造生物学:ミトコンドリア内での分裂