Nature ハイライト
構造生物学:ミトコンドリア内での分裂
Nature 571, 7765
ミトコンドリア内膜では、動物の場合にはダイナミン様タンパク質OPA1、菌類ではそのホモログであるMgm1が複数の重要な役割を果たしていて、そうした役割の1つはミトコンドリアの分裂と内部構造の維持に関わるものである。今回O Daumkeたちは、Mgm1の構造を明らかにし、また生化学的および細胞生物学的解析を行うことで、Mgm1やOPA1のフィラメントがミトコンドリアの内膜を動的にリモデリングする仕組みについて考察している。著者たちのデータから、Mgm1の単量体が湾曲した四量体を形成し、それらがさらにらせん状のフィラメントを作り出すことが示された。このフィラメントの組み立ては、正と負のどちらの曲率を持つ膜上でも起こり得る。
2019年7月18日号の Nature ハイライト
計算化学:反応予測が容易に
進化学:胚発生の細胞別トランスクリプトミクス
遺伝学:単一細胞ジェノタイピング
神経科学:大脳皮質の符号化構造
生化学:脂質二重層の単層間で脂質が移動する仕組み
物性物理学:擬ギャップの温度を測る
工学:アリから着想を得たロボット
化学:自動的に進むナノリボン合成
気候科学:海面水温記録の問題を修正する
生化学:mRNAの液–液相分離能はm6Aによって増強される
構造生物学:ミトコンドリア内での分裂