Volume 427 Number 6977

Editorial

国際熱核融合実験炉(ITER)の建設候補地選びは難航しているが、ITER計画への意欲が最も高いのは日本だ。

Time for Japan to shine? p.763

doi: 10.1038/427763a

News

英国の医学雑誌が、新聞報道に先手を打つ形で、1998年に掲載したMMR(はしか、おたふく風邪、風疹の3種混合)ワクチン関連の論文に不備があったことを公表。

Media attack prompts editorial backlash against MMR study p.765

doi: 10.1038/427765a

米国初のBSE牛はへたり牛でなかったとの証言をうけ、米議会の委員会が検査体制の見直しを要請。

Mad cowNULLs standing puts downer on testing strategy p.766

doi: 10.1038/427766b

米国のNPOがバイオ企業に対し、技術などの生物テロへの悪用を防ぐ対策をとるよう働きかけ。

Labs urged to pre-empt bioterrorism threat p.767

doi: 10.1038/427767a

残留性有機汚染物質(POP)に関するストックホルム条約の実施が間近に。

Treaty calls time on long-term pollutants p.768

doi: 10.1038/427768a

News Features

世論調査:有権者の脈をとる

Taking the votersNULL pulse p.772

世論調査は政治家のせいさくや政治生命を大きく左右するが、小さいとされる調査結果の誤差に、大きな不確定要素が隠れていることもある。

doi: 10.1038/427772a

疾病対策:仮想の伝染病が現実に

Virtual plagues get real p.774

生態学データを取り入れた数理モデルが、感染症との戦いの最前線で活躍し始めている。

doi: 10.1038/427774a

News & Views

癌:p53の鍵を回す

Turning the key on p53 p.789

p53タンパク質は、体に自然に備わっている癌に対する防御機構の中でもっとも効果的なものの1つである。このタンパク質を阻害から解き放つことでその抗癌機能を発揮させる有望な方法が発見された。

doi: 10.1038/427789a

天文学:宇宙の最初期からの光

Out of the Dark Ages p.790

もっとも遠く離れた天体からの光は、宇宙生成からたった10億年後に放出されたもので、恒星と銀河の形成の複雑な歴史と、周辺の始原ガスへの恒星や銀河の影響をもの語っている。highlights 参照。

doi: 10.1038/427790a

HIV:複製に手を加える

Replication trimmed back p.791

人間以外の霊長類がHIV-1に対して耐性を持つ仕組みは、長い間研究者の興味をそそる問題であった。今回、マカクザルで謎の細胞質封入体にあるタンパク質が見つかったことは、この問題の解決につながりそうだ。highlights 参照。

doi: 10.1038/427791a

地球科学:水火をくぐって薄くなる

Through thick and thin p.793

ハワイ諸島周辺の海底は滅多にみられないほど浅い。新たな地震学的研究から、この海底を隆起させた「膨れ上がり」はその下にあるリソスフェアが熱せられて薄くなったのが一因であることを示す証拠が得られた。letters, p.827 参照。

doi: 10.1038/427793a

イオン輸送:ちがいに注目

Spot the difference p.795

普通に考えれば、機能が明らかにちがっているイオンチャネルとイオンポンプでは、その構造もちがってみえるはずということになるだろう。ところが、そうでなければいけないというわけでもなさそうなのだ。articles, p.803 参照。

doi: 10.1038/427795a

神経生物学:生と死を分ける動き

A move to sort life from death p.798

神経成長因子は、発生あるいは損傷時の神経細胞の運命を決める働きを持つ。新たに見つかった「細胞死因子」として働く神経成長因子前駆体は、2種類の受容体を一緒に活性化することで細胞死を誘導する。letters, p.843 参照。

doi: 10.1038/427798a

超伝導:対称でなくても大丈夫

Symmetry not required p.799

超伝導性は複雑な現象である。そして、さらに考察すべき問題が最近加わった。鏡像対称でない構造を持つ磁性材料でも、意外なことに超伝導性を示すというのである。

doi: 10.1038/427799a

対称でなくても大丈夫

p.799

超伝導性は複雑な現象である。そして、さらに考察すべき問題が最近加わった。鏡像対称でない構造を持つ磁性材料でも、意外なことに超伝導性を示すというのである。

doi: 10.1038/fake95

Articles

生理:原核生物がもつClC Cl-チャネル相同体を介する二次能動輸送

Secondary active transport mediated by a prokaryotic homologue of ClC Cl- channels p.803

doi: 10.1038/nature02314

生化学:伸長停止したリボソームと結合するシグナル認識粒子の構造

Structure of the signal recognition particle interacting with the elongation-arrested ribosome p.808

doi: 10.1038/nature02342

Letters

宇宙:ビッグバンから10億年後の宇宙の水素がもつ中性成分の大きな割合

A large neutral fraction of cosmic hydrogen a billion years after the Big Bang p.815

doi: 10.1038/nature02336

物性:有機スピンバルブにおける巨大磁気抵抗

Giant magnetoresistance in organic spin-valves p.821

doi: 10.1038/nature02325

海洋:北太平洋における底層水の昇温

Bottom water warming in the North Pacific Ocean p.825

doi: 10.1038/nature02337

地球:ハワイ・プリュームによるリソスフェアの復活

Rejuvenation of the lithosphere by the Hawaiian plume p.827

doi: 10.1038/nature02349

微生物学:新たに単離された嫌気性微生物による鉄の腐食

Iron corrosion by novel anaerobic microorganisms p.829

doi: 10.1038/nature02321

進化:従来の分類では太平洋と大西洋のサンゴ間にみられる深い系統分岐が隠されてしまう

Conventional taxonomy obscures deep divergence between Pacific and Atlantic corals p.832

doi: 10.1038/nature02339

生態:系統発生上の制約と適応から食物網構造を説明づける

Phylogenetic constraints and adaptation explain food-web structure p.835

doi: 10.1038/nature02327

生理:大腸菌の代謝流量の全体的構成

Global organization of metabolic fluxes in the bacterium Escherichia coli p.839

doi: 10.1038/nature02289

細胞:ソーティリンはproNGFが引き起こすニューロンの細胞死に不可欠である

Sortilin is essential for proNGF-induced neuronal cell death p.843

doi: 10.1038/nature02319

医学:細胞質内封入体構成成分TRIM5αは旧世界ザルにおいてHIV-1の感染を制限する

The cytoplasmic body component TRIM5α restricts HIV-1 infection in Old World monkeys p.848

doi: 10.1038/nature02343

免疫:大コンダクタンスCa2+活性化K+チャネルは自然免疫に不可欠である

The large-conductance Ca2+-activated K+ channel is essential for innate immunity p.853

doi: 10.1038/nature02356

植物科学:OXI1キナーゼはシロイヌナズナの酸化的バーストを介するシグナル伝達に必要である

OXI1 kinase is necessary for oxidative burst-mediated signalling in Arabidopsis p.858

doi: 10.1038/nature02353

生化学:タンパク質合成終結中のリボソーム上にある終結因子3の可視化

Visualization of release factor 3 on the ribosome during termination of protein synthesis p.862

doi: 10.1038/nature02332

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