Nature ハイライト

医学:HIVを抑えるタンパク質

Nature 427, 6977

旧世界ザルがヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の病原性に抵抗できる理由が明らかになったようだ。この発見によって、新たな抗HIV治療法への道が開けるかもしれない。 旧世界ザルはHIVに感染するが、HIVのRNAゲノムがDNAへと変換されることはなく、そのため宿主ゲノムへの組み込みも起こらない。この変換を阻害するのは、TRIM5αというタンパク質だと、J Sodroskiたちが報告している。この阻害因子はHIVのサル版であるサル免疫不全ウイルス(SIV)に対してはうまく働かないらしい。旧世界ザルがSIVでは発病するがHIVには耐性を示す理由は、これで説明できるかもしれない。 「この研究によって、ウイルス複製の早い段階で働く重要な因子が明らかになった。この結果からHIV-1を阻害する新たな取り組み方が考えられるようになるかもしれない」とS P GoffがNews and Viewsで述べている。

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