Nature ハイライト

医学:ALSで見つかった分子の異常

Nature 427, 6977

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は致死的な麻痺性疾患であるが、細胞内で起こるメッセンジャーRNAの編集の誤りが引き金となるらしい。 ALS患者に麻痺が起こるのは、運動ニューロン(脳や脊髄から筋肉へと情報を伝える細胞)が変性し始めるからである。郭伸(S Kwak)たちはALS患者のメッセンジャーRNAを調べ、DNAからタンパク質への暗号解読のやりかたを決める編集過程に問題があることを発見した。その結果ALS患者は、異常なグルタミン酸受容体(神経細胞の情報交換を助けるタンパク質)をもつことになる。すると、神経細胞の死と麻痺が引き起されるらしい。 編集作業の誤りを修正する治療法が考案されれば、ALS患者の症状改善につながるだろうと、郭たちは述べている。

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