Nature ハイライト 医学:ALSで見つかった分子の異常 2004年2月26日 Nature 427, 6977 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は致死的な麻痺性疾患であるが、細胞内で起こるメッセンジャーRNAの編集の誤りが引き金となるらしい。ALS患者に麻痺が起こるのは、運動ニューロン(脳や脊髄から筋肉へと情報を伝える細胞)が変性し始めるからである。郭伸(S Kwak)たちはALS患者のメッセンジャーRNAを調べ、DNAからタンパク質への暗号解読のやりかたを決める編集過程に問題があることを発見した。その結果ALS患者は、異常なグルタミン酸受容体(神経細胞の情報交換を助けるタンパク質)をもつことになる。すると、神経細胞の死と麻痺が引き起されるらしい。編集作業の誤りを修正する治療法が考案されれば、ALS患者の症状改善につながるだろうと、郭たちは述べている。 2004年2月26日号の Nature ハイライト 進化:サンゴ一族の断絶が露見 医学:HIVを抑えるタンパク質 微生物学:鉄を腐食させる海洋微生物 医学:ALSで見つかった分子の異常 宇宙:宇宙の暗黒時代を照らす 海洋:太平洋の最深部で水温が上がっている 物理:瞬間を見る 目次へ戻る