Volume 434 Number 7030

Editorials

カリフォルニア大学との契約の打ち切りは、ロスアラモス研究所をさらに弱体化させる。

Bad faith at Los Alamos p.123

doi: 10.1038/434123b

発展途上国の「ニセ薬」には、政府や製薬企業、援助国が厳しく対処すべきだ。

Killers on the loose p.123

doi: 10.1038/434123a

News

予算不足のため、NASAの最も古くから続いてきた「ボイジャー」計画が10月で打ち切りの可能性が。

NASANULLs funding shortfall means journeyNULLs end for Voyager probes p.125

doi: 10.1038/434125a

欧州が、若手研究者の待遇改善を図るための憲章を制定。

Career charter sets out rights of EuropeNULLs young scientists p.127

doi: 10.1038/434127a

アジアで問題になっている褐色雲の実態解明のため、国際協力による調査研究がスタート。

Climatologists seek clear view of AsiaNULLs smog p.128

doi: 10.1038/434128a

簡単に作れる覚醒剤メタアンフェタミンの製造は危険だと、米警察が危機感。

Police urge speedy action to clean up home drug factories p.129

doi: 10.1038/434129a

News Features

薬が人殺し

Murder by medicine p.132

途上国では、ニセ薬によって命を落とす人が絶えない。

doi: 10.1038/434132a

命がけで

In the line of fire p.134

ナイジェリアの偽造薬品問題への取り組みについて聞く。

doi: 10.1038/434134a

News & Views

生物多様性:化石の出現に見られる周期性

Fossils make waves p.147

海産化石データベースの詳細な解析から生物多様性の出現には6,200万年という周期があることが浮かび上がってきた。しかし、何が原因でこのような周期が生まれるのかはまだ謎である。というわけで、この発見は理論的な推論を盛り上がらせるものとなりそうだ。letters, p.208 参照。

doi: 10.1038/434147a

天文学:恒星の質量の限界

Stellar mass limited p.148

星の質量には上限があるのだろうか。このずっと以前からの疑問への答えはどうも「ある」というものになりそうだ。そして、限界があるとすればそれは銀河の進化の解明に重要な影響を及ぼすのである。highlights 参照。

doi: 10.1038/434148a

エピジェネティクス:癌監視チーム

Surveillance team against cancer p.150

両親由来のインプリンティングとして知られる現象の制御に変化が起こると、それは癌の発症しやすさに影響する。こうした新たな発見は発癌が「二相」的に起こるという以前の考え方と結びつくかも知れない。

doi: 10.1038/434150a

半導体技術:ネガティブな成功

Negatively successful p.151

有機半導体ポリマーは有望な電子材料であるが、その用途の広さをフルに発揮するには正電荷ばかりでなく負電荷も伝導できなければならない。新たな研究でこのゴールが一歩近づいたようだ。letters, p.194 参照。

doi: 10.1038/434151a

構造生物学:メタノール製造が専門

Methanol maker p.151

細菌の中にはメタンをメタノールに変えることができるものがある。こうした反応を専門に行う酵素の1つであるメタンモノオキシゲナーゼの構造がX線解析により明らかになったことは、メタノール生成過程の解明に役立ちそうだ。articles, p.177 参照。

doi: 10.1038/434151b

発生生物学:精子と卵子の融合の秘密を解き明かす

egg fusion unscrambled p.152

精子が卵子の膜に融合する過程にかかわる分子がどういうものなのかはまだ解っていない。縁結びの神社の名前にちなんで「Izumo(イズモ)」と命名されたタンパク質は、この研究分野に「見解の一致」をもたらすだろうか。highlights 参照。

doi: 10.1038/434152a

惑星科学:ぶつかりペア

A smashing pair p.153

冥王星とその衛星であるカロンは、地球と月と同じく、惑星程度の大きさの2つの天体の衝突によって生じたと考えられている。精巧なシミュレーションが行われ、このような双子星の誕生には異なる2通りの過程があるらしいことが明らかにされた。

doi: 10.1038/434153a

ぶつかりペア

p.153

冥王星とその衛星であるカロンは、地球と月と同じく、惑星程度の大きさの2つの天体の衝突によって生じたと考えられている。精巧なシミュレーションが行われ、このような双子星の誕生には異なる2通りの過程があるらしいことが明らかにされた。

doi: 10.1038/fake173

動物行動学:食餌の量を判断する方法

Meals sized up p.154

シロアリは目がみえないが、餌、つまり木材などがどのくらいあるかは判断できる。シロアリ自身が放つ震動シグナルを使うことでこれができるらしい。

doi: 10.1038/434154a

古生物学:もっとも古い生命体の年代決定

Dating earliest life p.155

グリーンランドで採取された38億年前のものとされる岩に、極めて古い時代の生命体由来の炭素残存物が含まれているという報告については、過去数年間にわたって議論が続いていた。最新の解析結果で、この問題に決着がつきそうだ。

doi: 10.1038/434155a

Articles

宇宙:カッシーニ探査機からのタイタンの撮像

Imaging of Titan from the Cassini spacecraft p.159

doi: 10.1038/nature03436

量子情報科学:実験による一方向量子計算

Experimental one-way quantum computing p.169

doi: 10.1038/nature03347

生化学:メタンの生物学的酸化を触媒する膜結合型金属酵素の結晶構造

Crystal structure of a membrane-bound metalloenzyme that catalyses the biological oxidation of methane p.177

doi: 10.1038/nature03311

生化学:HutPを介した転写停止阻害とMg2+イオンおよびL-ヒスチジンリガンドの役割に関する構造学的基礎

Structural basis of HutP-mediated anti-termination and roles of the Mg2+ ion and L-histidine ligand p.183

doi: 10.1038/nature03355

Letters

材料:有機半導体で普遍的なn型電界効果挙動を観察

General observation of n-type field-effect behaviour in organic semiconductors p.194

doi: 10.1038/nature03376

化学:液体H2Oの水素結合ネットワークにおける極めて速い記憶の喪失およびエネルギー再分配

Ultrafast memory loss and energy redistribution in the hydrogen bond network of liquid H2O p.199

doi: 10.1038/nature03383

物理:地球大気に似た条件下での立方晶系の氷の生成

The formation of cubic ice under conditions relevant to Earth's atmosphere p.202

doi: 10.1038/nature03403

地球:GPSと音響測定によるペルー・チリ海溝の固着開始の測定

Measuring the onset of locking in the Peru-Chile trench with GPS and acoustic measurements p.205

doi: 10.1038/nature03412

生態:農業地域からの流去水は脆弱な海洋域で植物プランクトンの広域での大発生を促進する

Agricultural runoff fuels large phytoplankton blooms in vulnerable areas of the ocean p.211

doi: 10.1038/nature03370

医学:熱帯熱マラリアの症状発現の世界分布

The global distribution of clinical episodes of Plasmodium falciparum malaria p.214

doi: 10.1038/nature03342

植物科学:植物の根からの抗菌物質滲出による病原体耐性の達成

Mediation of pathogen resistance by exudation of antimicrobials from roots p.217

doi: 10.1038/nature03356

脳:スパイクタイミング依存的なシナプス可塑性は樹状突起上の位置に依存する

Spike-timing-dependent synaptic plasticity depends on dendritic location p.221

doi: 10.1038/nature03366

味覚:苦味の受容体と信号伝達論理

The receptors and coding logic for bitter taste p.225

doi: 10.1038/nature03352

発生:ショウジョウバエの背腹パターン形成期におけるDpp受容体相互作用の空間的な双安定性

Spatial bistability of Dpp-receptor interactions during Drosophila dorsal-ventral patterning p.229

doi: 10.1038/nature03318

生理:精子が卵子と融合するには免疫グロブリンスーパーファミリータンパク質であるIzumoが必要である

The immunoglobulin superfamily protein Izumo is required for sperm to fuse with eggs p.234

doi: 10.1038/nature03362

免疫:アゴニスト/内在性ペプチド-MHCヘテロ二量体はT細胞活性化と感受性を推進する

Agonist/endogenous peptide-MHC heterodimers drive T cell activation and sensitivity p.238

doi: 10.1038/nature03391

免疫:Toll様受容体によって活性化される遺伝子誘導プログラムにおけるIRF-5の重要な役割

Integral role of IRF-5 in the gene induction programme activated by Toll-like receptors p.243

doi: 10.1038/nature03308

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