Nature ハイライト 生殖:受精にかかわる重要な因子の発見 2005年3月10日 Nature 434, 7030 受精の際の精子と卵子の融合に不可欠な、精子のタンパク質が初めて同定された。この分子をはじめ、融合にかかわる分子は、新たな避妊法開発の手がかりとなり、また不妊治療の新しい標的になる可能性もある。精子と卵子の細胞膜が融合するために必要な分子は、ようやく見つかり始めたばかりである。岡部勝たちはマウスの精子の融合を阻害するモノクローナル抗体を使って、この抗体に結合する精子のタンパク質を探しだし、縁結びで有名な神社にちなんで、このタンパク質をIzumoと名づけた。遺伝子操作によってIzumoを欠失させたマウスは、健康だが不妊で、形態は正常なのに卵子と融合できない精子をつくる。ヒトの精子にもIzumoが含まれていることや、この抗体が凍結保存されていたヒト精子とハムスターの卵子の実験的融合を阻害することもわかった。 2005年3月10日号の Nature ハイライト 量子情報科学:後戻りできない 味覚:苦味の知覚に迫る味な研究 植物科学:植物の根から滲み出る防御化合物 生殖:受精にかかわる重要な因子の発見 化学:水の記憶は迅速に失われる 宇宙:星はどこまで大きくなれる? : 目次へ戻る