超低温から室温へ:固体で起こるポラリトンのボーズ・アインシュタイン凝縮
Condensed-matter physics: Coherent questions p.403
ボーズ-アインシュタイン凝縮体は、1924年に初めてその存在が仮定された物質の一形態であり、よく知られているように極低温の希薄原子気体で実証されている。現在、ボーズ-アインシュタイン凝縮(BEC)が起こる固体系を探索する研究は多数行われている。理論的には、光子が半導体微小共振器中に閉じ込められて電子励起と結合し、その結果ポラリトン生成が起これば、標準的な低温においてBECが可能であると考えられる。今週号でKasprzakたちは、このような微小共振器中でポラリトンが励起される実験の結果について報告している。ある臨界ポラリトン密度以上で、固体のBECを示す巨視的な量子相の自発的な生成が起こる。光と固体励起との結合が十分強ければ、BECはより高い温度でも可能なはずである。Demokritovたちはまさにこれを実現し、一種の磁気励起であるマグノンの気体において室温でBECを起こした。doi: 10.1038/443403a