Nature ハイライト
植物:力を合わせる植物ホルモン
Nature 443, 7110
ブラシノステロイドとオーキシンは植物の成長の重要な制御因子だが、この2 つの経路は同一の遺伝子を調節していることが多く、この点からすると、これらの経路の間には何らかの相互作用があると考えられる。2 つの経路の相互作用の仕方は正確にはわかっていないが、新たな証拠から、この相互作用システムが発生の非常に早い段階から働くことがわかった。胚で根が成長し始める段階であっても、両経路はフィードバックループを介して連絡しており、オーキシンに依存する形でブラシノステロイド量が維持される。またブラシノステロイド量は、オーキシンの誘導する転写応答の速度を決める。シロイヌナズナでは、これまで考えられていたよりもはるかに多くの遺伝子がブラシノステロイドの量に感受性をもつ。また、細胞の増殖と根の伸長を制御することが知られているBREVIS RADIX 遺伝子が、ブラシノステロイドとオーキシンの相互作用に重要なかかわりをも つことが明らかになった。
2006年9月28日号の Nature ハイライト
生理:クモの糸のルーツを探る
生化学:幹細胞の老化
宇宙:スター誕生!
流体力学:非圧縮性の破れ
気候:正体が見えたメタン濃度上昇
生態:アマゾンの植物生態を概観する
植物:力を合わせる植物ホルモン
細胞:酵母の中の「砂時計」
細胞:特別配達