Nature ハイライト
生理:クモの糸のルーツを探る
Nature 443, 7110
クモは腹部の出糸突起とよばれる器官から糸を吐き、それを使って獲物を捕まえたり、身を守ったり、繁殖や分散をしたりする。ところが、コスタリカンゼブラレッグとよばれるタランチュラの一種は、脚から絹のような物質を分泌し、つるつるの垂直表面にへばりつくのに役立てていることが今回わかった。この発見によって、クモが使う新しい接着機構だけでなく、クモの糸の新しい放出源が明らかになった。この知見は、クモの糸の進化を探る糸口となる。歩脚の先端にある末節での糸の産生にかかわる遺伝機構の解析から、クモの糸のもともとの機能が牽引摩擦力を増すことだったのか、それとも、後になってからそういう機能のために用いられるようになったのかどうかがわかるかもしれない。
2006年9月28日号の Nature ハイライト
生理:クモの糸のルーツを探る
生化学:幹細胞の老化
宇宙:スター誕生!
流体力学:非圧縮性の破れ
気候:正体が見えたメタン濃度上昇
生態:アマゾンの植物生態を概観する
植物:力を合わせる植物ホルモン
細胞:酵母の中の「砂時計」
細胞:特別配達