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保全:節足動物の個体数、生物量、多様性の広範にわたる減少

Nature 574, 7780

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Credit: Jan Gerhards-Ostehr / EyeEm / Getty Images

数多くの研究で節足動物の個体数や多様性が最近減少していることが報告されているが、そうした研究は分類群や調査地点が限定的なため、得られた知見をどの範囲まで当てはめることができるのかは不明である。今回S Seiboldたちは、約2700種からなる100万を超す節足動物個体に由来するデータを用いて、ドイツの3地域での2008~2017年における節足動物の多様性、生物量、個体数の変化を調べた。これらのデータは、150の草原調査地と140の森林調査地から得られた標準化された複数のインベントリーに基づいている。解析の結果、節足動物の種数はこの期間、全ての調査地で減少していたことが明らかになった。生物量と種数は草原と森林の両方で大幅に減少していたが、個体数は草原でのみ著しい減少が見られた。草原では、こうした減少の規模は周辺地域の耕作可能地の割合に対応しており、これは、少なくとも草原では節足動物の喪失を食い止めるには景観レベルの政策が必要であることを示唆している。

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