Nature ハイライト
免疫学:脂質吸収と腸バリア機能の神経免疫調節
Nature 579, 7800
腸は、摂取した食物から抽出された栄養素の消化と吸収を促進する一方で、腸管腔に存在する微生物群集の免疫制御も維持している。D Littmanたちは今回、バソアクティブ・インテスティナル・ペプチドを分泌する腸ニューロン、IL-22を分泌する3型自然リンパ球、腸管上皮からなる神経免疫回路について報告している。この回路は、食物摂取の際に脂肪の吸収を促進する一方、腸の免疫細胞の機能を低下させて、腸バリアの破壊や腸内病原体に対する感受性を引き起こす。この経路の阻害剤は、脂質吸収を低下させたり、急性胃腸感染症の際に腸バリアを増強したりする治療ツールになる可能性がある。
2020年3月26日号の Nature ハイライト
物性物理学:重フェルミオン超伝導体における三重項電子対の形成
量子物理学:長岡強磁性の量子シミュレーション
大気科学:成層圏オゾンの回復による大気循環の変化傾向の休止
進化学:脊椎動物の手の起源
神経科学:別々のドーパミン受容体による条件付けと報酬学習の精緻化
植物細胞生物学:多精受精を防ぐ
がん:マイクロバイオームのシグネチャーでがんを監視
免疫学:脂質吸収と腸バリア機能の神経免疫調節
免疫学:性依存的な脂肪炎症
分子生物学:相分離により形成される反応中心
分子生物学:アルコールに対する細胞の応答
化学生物学:コンピュータ上で見つかったメラトニン化合物がマウスで機能した