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化学生物学:コンピュータ上で見つかったメラトニン化合物がマウスで機能した

Nature 579, 7800

コンピューターベースの創薬は、それにかかる時間やコストを削減するためのますます強力な手法となると考えられ、急速に関心が集まっている。今回B Shoichetたちは、メラトニン受容体(MT1)を選択的に標的とする薬剤候補化合物を探す目的で、1億5000万種の化合物のバーチャルスクリーニングを行った。既知のリガンドとはほとんど、あるいは全く類似性のない化合物を優先して調べて、2種類のMT1選択的インバースアゴニストが見つかった。これらの影響を概日リズムでの行動のマウスモデルで確かめたところ、時差ぼけからの体内時計の同調を遅らせるだけでなく、概日時計を最大1.5時間進ませることが明らかになった。この研究は、非常に大規模なバーチャルライブラリーが、in vivoで効果を示す新規な薬物様化合物の発見に使える可能性があることを実証している。

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