Nature ハイライト
化学生物学:コンピュータ上で見つかったメラトニン化合物がマウスで機能した
Nature 579, 7800
コンピューターベースの創薬は、それにかかる時間やコストを削減するためのますます強力な手法となると考えられ、急速に関心が集まっている。今回B Shoichetたちは、メラトニン受容体(MT1)を選択的に標的とする薬剤候補化合物を探す目的で、1億5000万種の化合物のバーチャルスクリーニングを行った。既知のリガンドとはほとんど、あるいは全く類似性のない化合物を優先して調べて、2種類のMT1選択的インバースアゴニストが見つかった。これらの影響を概日リズムでの行動のマウスモデルで確かめたところ、時差ぼけからの体内時計の同調を遅らせるだけでなく、概日時計を最大1.5時間進ませることが明らかになった。この研究は、非常に大規模なバーチャルライブラリーが、in vivoで効果を示す新規な薬物様化合物の発見に使える可能性があることを実証している。
2020年3月26日号の Nature ハイライト
物性物理学:重フェルミオン超伝導体における三重項電子対の形成
量子物理学:長岡強磁性の量子シミュレーション
大気科学:成層圏オゾンの回復による大気循環の変化傾向の休止
進化学:脊椎動物の手の起源
神経科学:別々のドーパミン受容体による条件付けと報酬学習の精緻化
植物細胞生物学:多精受精を防ぐ
がん:マイクロバイオームのシグネチャーでがんを監視
免疫学:脂質吸収と腸バリア機能の神経免疫調節
免疫学:性依存的な脂肪炎症
分子生物学:相分離により形成される反応中心
分子生物学:アルコールに対する細胞の応答
化学生物学:コンピュータ上で見つかったメラトニン化合物がマウスで機能した