Nature ハイライト
量子物理学:長岡強磁性の量子シミュレーション
Nature 579, 7800
凝縮物質系では、強い電子間相互作用に起因する量子力学的効果によって、エキゾチックな形態の磁性や超伝導が現れる可能性がある。こうした多体物理現象を定量的に理解することは困難であるため、制御された人工的な環境、つまり量子シミュレーションの枠内でそうした現象を再現することが大いに役立つ。今回、4つの電子を入れられるよう設計された量子ドットデバイスを用いて、これまで理論研究に限られていた遍歴磁性モデルである長岡強磁性の証拠が集められている。今回の実験は、乱れや有限サイズなどの現実的な制約に対してこの理想的な凝縮物質物理モデルがロバストであることの理解に役立ち、人工固体量子系が量子シミュレーションに有用であることを示している。
2020年3月26日号の Nature ハイライト
物性物理学:重フェルミオン超伝導体における三重項電子対の形成
量子物理学:長岡強磁性の量子シミュレーション
大気科学:成層圏オゾンの回復による大気循環の変化傾向の休止
進化学:脊椎動物の手の起源
神経科学:別々のドーパミン受容体による条件付けと報酬学習の精緻化
植物細胞生物学:多精受精を防ぐ
がん:マイクロバイオームのシグネチャーでがんを監視
免疫学:脂質吸収と腸バリア機能の神経免疫調節
免疫学:性依存的な脂肪炎症
分子生物学:相分離により形成される反応中心
分子生物学:アルコールに対する細胞の応答
化学生物学:コンピュータ上で見つかったメラトニン化合物がマウスで機能した