Nature ハイライト
地球科学:大陸の分裂時に濃集した深部炭素
Nature 582, 7810
大陸の地溝帯は、マントルの二酸化炭素(CO2)の地球大気への重要な放出源であるが、地溝帯のCO2フラックスは、メルトと揮発性物質の輸送を支配するリソスフェアの過程に依存しており、この過程についてはよく分かっていない。今回J Muirheadたちは、炭素に富んだタンザニアのクラトン(安定陸塊)下のマントル流動によって東アフリカ地溝帯系の一部の下に深部炭素が濃集し、安定陸塊の端の近くで活発なカーボナタイトマグマの火成活動が生じていると提案している。著者たちは、この深部炭素の抽出モードが、大陸地溝帯の一部でCO2フラックスを増大させている可能性があり、炭酸塩に富んだマグマの生成と位置を支配するのに役立っていると結論付けている。
2020年6月4日号の Nature ハイライト
光物理学:光のトポロジカル流体
光物理学:共振器における自由電子と光子の効率の良い結合
生命の起源:DNAは生命誕生の前に存在したのか
地球科学:大陸の分裂時に濃集した深部炭素
心血管疾患:コレステロール関連疾患リスクの中心地域の世界的な変遷
進化学:アイスランドに残された旧人類の痕跡
再現性:データセットの解析法はいくらでもある
神経変性:腸内環境がALS発症に関与する
がん:1つのがん遺伝子上の複数の変異
微生物学:感染した赤血球上のマラリア原虫抗原に対して保護作用を持つ抗体
遺伝学:短いものへの配慮