Nature ハイライト
遺伝学:短いものへの配慮
Nature 582, 7810
減数分裂の際には、各染色体が複製される。各染色体が確実に1コピーずつ娘細胞に分配されるように、各染色体対は少なくとも1か所のDNA交叉(乗り換え)によって連結されている。この交叉はDNAの二本鎖切断(DSB)によって始まるが、切断はランダムに起こるので、最小の染色体では切断が1つも起こらない可能性がある。今回S Keeneyたちは、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)で、最も短い染色体であっても少なくとも1か所は確実にDSBが起こるようにする仕組みを明らかにしている。このような染色体へのDSB導入を強化する仕組みは複数あり、そのうちの1つは、最も短い染色体に特異的に働くらしい。
2020年6月4日号の Nature ハイライト
光物理学:光のトポロジカル流体
光物理学:共振器における自由電子と光子の効率の良い結合
生命の起源:DNAは生命誕生の前に存在したのか
地球科学:大陸の分裂時に濃集した深部炭素
心血管疾患:コレステロール関連疾患リスクの中心地域の世界的な変遷
進化学:アイスランドに残された旧人類の痕跡
再現性:データセットの解析法はいくらでもある
神経変性:腸内環境がALS発症に関与する
がん:1つのがん遺伝子上の複数の変異
微生物学:感染した赤血球上のマラリア原虫抗原に対して保護作用を持つ抗体
遺伝学:短いものへの配慮