Nature ハイライト
ナノスケール材料:ダイヤモンドの強靭化
Nature 582, 7812
ダイヤモンドは、並外れた硬度でよく知られているが、靭性(破壊に対する感受性)の観点では、それほど優れてはいない。材料全般において、硬度と靭性は通常トレードオフの関係にあり、片方を向上させる戦略はもう片方を低下させる。自然界には、階層的微細構造をとることによってこの明らかな二分を回避している複合材料がある。その代表例が「れんがとモルタル」のような積層構造の天然真珠層で、この構造によって高い硬度と靭性とが両立されている。今回Y Yueたちは、同様の構造コンセプトを基に、既知の全ての材料をしのぐ硬度と靭性の組み合わせを示すダイヤモンド複合材料の作製方法を示している。
2020年6月18日号の Nature ハイライト
天体物理学:周期的な高速電波バースト
天体物理学:テラ電子ボルトのエネルギーで解像されたケンタウルス座Aのジェット
ナノスケール材料:ダイヤモンドの強靭化
海洋科学:将来の北極海の酸性化に対する新たな制約
健康科学:COVID-19の拡大を予測する携帯電話データ
神経科学:脳卒中における神経保護作用への概日リズムの影響
再生医療:培養皿でヒトの皮膚を作製する
発生生物学:マウスのガストルロイドはマウスの胚発生を再現し、解明の手掛かりをもたらす
発生生物学:ヒトのガストルロイドはヒト初期胚発生の新たなin vitroモデルとなる
分子生物学:二本鎖切断をPARで確実に起こす仕組み
バイオインフォマティクス:HIVのRNAはどのように折りたたまれているのか
構造生物学:特徴が明らかになったTASKチャネル