Nature ハイライト
海洋科学:将来の北極海の酸性化に対する新たな制約
Nature 582, 7812
北極海は、将来の酸性化の影響を最も受けやすい海域と考えられているが、21世紀の酸性化の予測は、さまざま地球システムモデルで大きく異なっている。今回J Terhaarたちは、北極海の表層水の現在の密度と、人為起源の炭素インベントリーおよび同時に生じる酸性化との間に、複数モデルの創発的な関係を見いだしている。彼らは、海面密度の観測結果を適用して、RCP 8.5気候シナリオの下で21世紀末の海洋炭素インベントリーとそれに対応する酸性化を、以前の見積もりの上限に絞り込んでいる。これは、21世紀の北極海の酸性化が、以前の予測よりも深刻である可能性が高いことを示唆している。
2020年6月18日号の Nature ハイライト
天体物理学:周期的な高速電波バースト
天体物理学:テラ電子ボルトのエネルギーで解像されたケンタウルス座Aのジェット
ナノスケール材料:ダイヤモンドの強靭化
海洋科学:将来の北極海の酸性化に対する新たな制約
健康科学:COVID-19の拡大を予測する携帯電話データ
神経科学:脳卒中における神経保護作用への概日リズムの影響
再生医療:培養皿でヒトの皮膚を作製する
発生生物学:マウスのガストルロイドはマウスの胚発生を再現し、解明の手掛かりをもたらす
発生生物学:ヒトのガストルロイドはヒト初期胚発生の新たなin vitroモデルとなる
分子生物学:二本鎖切断をPARで確実に起こす仕組み
バイオインフォマティクス:HIVのRNAはどのように折りたたまれているのか
構造生物学:特徴が明らかになったTASKチャネル