Nature ハイライト
分子生物学:二本鎖切断をPARで確実に起こす仕組み
Nature 582, 7812
ヒトの細胞には22対の常染色体(性染色体でない染色体)がある。減数分裂では、2本の相同染色体が互いを見つけ出し、タンパク質でできた構造中で対合すると、二本鎖切断を経て交叉が起こる。この過程は、娘細胞に相同染色体が確実に1本ずつ分配されるために必要である。しかし性染色体対の場合はこれらと違い、雄ではX染色体とY染色体という異なる染色体からなる。偽常染色体領域(PAR)はX染色体とY染色体の両方に見られる小さな領域で、この2つの染色体は、この領域によって対合できる。では、対合した染色体で、この狭い領域に交叉が集中するのはどのような仕組みによるのだろうか。今回S Keeneyたちは、二本鎖切断が起こるよりも前に、クロマチンではいくつかの現象がシスとトランスに働いて高次構造レベルでPARを変化させ、組換えの準備を整えることを明らかにしている。
2020年6月18日号の Nature ハイライト
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分子生物学:二本鎖切断をPARで確実に起こす仕組み
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