Nature ハイライト
発生生物学:マウスのガストルロイドはマウスの胚発生を再現し、解明の手掛かりをもたらす
Nature 582, 7812
ガストルロイドは胚性幹細胞が三次元的に集合した凝集体で、着床後の発生を模擬する。今回A van Oudenaardenたちは、単一細胞RNA塩基配列解読と空間的トランスクリプトミクス、さらに細胞のライブ画像化を用いて、マウスのガストルロイドとマウス胚を比較した。その結果、ガストルロイドにはこれまで報告されていたよりも多くの胚細胞タイプが含まれていること、胚と同様にガストルロイドでも体節形成の主要な調節因子群が発現していることが明らかになった。今回の研究によって、マウスの発生についてのさらなる手掛かりが得られ、ガストルロイドが、胚発生の解析に使えるハイスループットなin vitroモデルとして有用であることがはっきりと示された。
2020年6月18日号の Nature ハイライト
天体物理学:周期的な高速電波バースト
天体物理学:テラ電子ボルトのエネルギーで解像されたケンタウルス座Aのジェット
ナノスケール材料:ダイヤモンドの強靭化
海洋科学:将来の北極海の酸性化に対する新たな制約
健康科学:COVID-19の拡大を予測する携帯電話データ
神経科学:脳卒中における神経保護作用への概日リズムの影響
再生医療:培養皿でヒトの皮膚を作製する
発生生物学:マウスのガストルロイドはマウスの胚発生を再現し、解明の手掛かりをもたらす
発生生物学:ヒトのガストルロイドはヒト初期胚発生の新たなin vitroモデルとなる
分子生物学:二本鎖切断をPARで確実に起こす仕組み
バイオインフォマティクス:HIVのRNAはどのように折りたたまれているのか
構造生物学:特徴が明らかになったTASKチャネル