Nature ハイライト
構造生物学:特徴が明らかになったTASKチャネル
Nature 582, 7812
TASKチャネルは、2ポアドメインカリウム(K2P)チャネルで、心拍数や睡眠/覚醒周期などの調節に重要な役割を果たしている。このチャネルはまた、高い親和性で阻害剤と結合し、化合物の洗い出し率が非常に低いために薬剤標的として注目されており、候補化合物のいくつかは現在臨床試験中である。しかし、このチャネル系のゲート開閉や薬理学的性質に対する我々の理解にはまだ足りない部分がある。今回E Carpenterたちは、酸で阻害されるK2PチャネルであるTASK1の構造と薬理学的性質について報告している。さまざまな阻害剤の存在下での構造解析から、麻酔薬や神経伝達物質への応答に関わるタンパク質の一部によって作られたX型のゲートが明らかになった。阻害剤はこの「Xゲート」によって前庭に閉じ込められており、これによって、薬剤や薬剤候補に対して観察された低い洗い出し率が説明される。
2020年6月18日号の Nature ハイライト
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構造生物学:特徴が明らかになったTASKチャネル