Nature ハイライト

がん:がんにおけるマイクロサテライト不安定性の巻き戻し

Nature 586, 7828

マイクロサテライト不安定性(MSI)を有する腫瘍はWRNヘリカーゼの活性に依存的であることから、WRNは治療標的になる可能性がある。A Nussenzweigたちは今回、この脆弱性の機構を調べ、十字架様の二次構造を形成するTA反復配列の伸長を発見した。WRN非存在下では、これがヌクレアーゼによる切断の標的となり、染色体破砕を引き起こす。この結果と一致して、TA反復配列は、MSI腫瘍における脆弱部位や大規模な欠失と関連していた。これらの知見は、累積的な合成致死効果を明らかにしており、がんがゲノム安定性を調節する仕組みや、ゲノム上の傷痕が腫瘍形成を助長する一方、持続的な治療脆弱性も生み出し得る仕組みについての手掛かりをもたらす。

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