Nature ハイライト
構造生物学:構造から見たサリチル酸認識機構
Nature 586, 7828
植物ホルモンのサリチル酸(SA)は、全身性の獲得抵抗性を誘導する。SAはNPRタンパク質類に結合することで機能し、このタンパク質には多様なパラログが存在して、SAを介したシグナル伝達で異なった機能を担っている。今回N Zhengたちは構造研究と機能の検証を行って、受容体であるNPRがSAを認識し、ホルモンシグナル伝達を統合する仕組みの解明につながるデータを得ている。得られた知見の中には、NPR4がSAに強く結合する(NPR1は強く結合しない)理由についての手掛かりが含まれ、また、NPRバリアントの1つがSAに対して非常に感受性が高く、そのためにエフェクターが誘発する免疫を損なうことなくSAを介した基本免疫を亢進させることも明らかになった。
2020年10月8日号の Nature ハイライト
天文学:若い原始星円盤における環状構造
物性物理学:量子力学的起源のインダクタンス
化学:過渡種との反応
生物地球化学:一酸化二窒素の収支:人為起源の排出の増加
人間行動:人々を不平等にさらすと富裕層への課税に対する支持が高まる
分子生物学:霊長類の介在ニューロンレパートリーに見られる新機軸
神経科学:新しい信号は視床下部で経路が決まる
神経発生:母体の微生物相は子の神経発生に影響を与える
がん:がんにおけるマイクロサテライト不安定性の巻き戻し
がん:内皮細胞はSLIT2–ROBOシグナル伝達を介して転移を促進する
構造生物学:構造から見たサリチル酸認識機構
構造生物学:分枝アミノ酸製造装置