Nature ハイライト
コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイク変異株はウイルス複製を増強する
Nature 592, 7852
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が進行する中で収集された数千の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の塩基配列解析から、COVID-19のアウトブレイク(集団発生)の開始以降、スパイク遺伝子中のD614G変異が優勢になってきたことが明らかになっている。この変異は、ウイルスの伝播性を高める可能性が示唆されている。P Shiたちは今回、SARS-CoV-2ウイルス株にD614G変異を導入し、in vitroおよびハムスターモデルにおいて、この変異のウイルス複製への影響を調べた。その結果、D614G変異はウイルスの複製を増強するようであり、G614変異を持つウイルス株を感染させたハムスターでは、鼻腔洗浄液や気管中の感染力価が高まっていることが明らかになった。
2021年4月1日号の Nature ハイライト
物性物理学:モアレグラフェンにおける相関を熱力学的に調べる
ナノスケール材料:金属の直接3Dナノ造形
材料科学:アモルファス固体の構造研究方法
生態学:温暖化は栄養段階間のエネルギー転換を減少させる
発生生物学:長鎖ノンコーディングRNAの変異が肢形成異常を引き起こす
幹細胞:短腸症候群の治療法候補としてのオルガノイド移植
植物科学:植物の2つの免疫経路間のクロストーク
コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイク変異株はウイルス複製を増強する
がん免疫学:黒色腫での細菌由来ペプチドの提示
分子生物学:ヌクレアーゼ複合体を凝縮する