Nature ハイライト
遺伝学:深層学習を用いた遺伝的バリアントの効果の予測
Nature 599, 7883
遺伝型判定や塩基配列解読の研究を解釈する際の課題は、遺伝的バリアントが遺伝子、細胞、生物の機能にどのような影響を及ぼすかについて知識が不足していることである。計算手法は、主に教師あり予測と臨床的な疾患ラベルの使用に依存しており、偽陽性率と偽陰性率が高い傾向がある。D Marksたちは今回、遺伝子の進化的保存と塩基配列の状況を学習する変分オートエンコーダーに依存して、疾患ラベルや教師を必要とせずにバリアントの効果を予測できるモデル「EVE(evolutionary model of variant effect)」を開発したことを報告している。このモデルによる予測は、実験的に精巧で比較的ロースループットな(一度に1遺伝子)、高深度の変異スキャンによる手法と少なくとも同等に優れており、これまでに得られた3000を超える遺伝子についての予測はウェブサイト(https://evemodel.org)で公開されている(予測結果は逐次追加される予定である)。
2021年11月4日号の Nature ハイライト
暗号:暗号技術に相対論を使う
物性物理学:超伝導体におけるランダウ準位
材料科学:有機半導体の高効率n型ドーピング
環境社会科学:油田の経済的継続性と環境特性
遺伝学:深層学習を用いた遺伝的バリアントの効果の予測
コロナウイルス:COVID-19時代のデータ駆動型入国管理手法
コロナウイルス:SARS-CoV-2デルタ変異株の特性解析
代謝:エストロゲンとエネルギー配分
細胞生物学:ミトコンドリアへのグルタチオン運搬の調節因子
画像化法:クローズアップして3Dで見る細胞
構造生物学:電位依存性カリウムチャネルの調節