Nature ハイライト
代謝:エストロゲンとエネルギー配分
Nature 599, 7883
エストロゲンは体に良い。エストロゲンが枯渇すると活動低下や不健康な脂肪の蓄積、糖尿病につながる。齧歯類では、17β-エストラジオール(エストロゲンE2)が排卵前に急増することで、一時的にエネルギー消費がエネルギー摂取量を上回るようになり、これによって身体活動の増加と性的受容性のピークが連動する。H Ingrahamたちは今回、エストロゲンがエネルギー配分にどのように影響するかを研究するために、雌マウスの脳でエストロゲン受容体α(ERα)シグナル伝達について調べている。その結果、メラノコルチン4受容体(MC4R)を発現するニューロンの小集団が見つかり、このニューロン集団がエストロゲンシグナルとメラノコルチンシグナルを統合していることが明らかになった。カギとなる知見として、これらのニューロンが覚醒中枢にシグナルを送り、ホルモンがどのようにして活動量の急増を引き起こすかが示された。さらに、これらのニューロンのエストロゲン依存的ゲーティングを迂回すると、ホルモンの枯渇に関連した低活動状態や低代謝が打ち消されることも分かった。
2021年11月4日号の Nature ハイライト
暗号:暗号技術に相対論を使う
物性物理学:超伝導体におけるランダウ準位
材料科学:有機半導体の高効率n型ドーピング
環境社会科学:油田の経済的継続性と環境特性
遺伝学:深層学習を用いた遺伝的バリアントの効果の予測
コロナウイルス:COVID-19時代のデータ駆動型入国管理手法
コロナウイルス:SARS-CoV-2デルタ変異株の特性解析
代謝:エストロゲンとエネルギー配分
細胞生物学:ミトコンドリアへのグルタチオン運搬の調節因子
画像化法:クローズアップして3Dで見る細胞
構造生物学:電位依存性カリウムチャネルの調節