Nature ハイライト

進化:ヒトのアフリカ起源に迫る新化石の発見

Nature 440, 7086

初期人類の揺籃の地であったエチオピアで発掘調査を精力的に行っているT Whiteたちが、人類進化史の新たな部分に相当する複数の化石を発見した。これらは420万年前のアナム猿人(Australopithecus anamensis)の化石で、この種は現生人類の直接の祖先だと考えられている。  これらの新化石は、アナム猿人が「ルーシー」という名の骨格化石標本で有名なアファール猿人(Australopithecus afarensis)の直接の祖先だとする説を裏づけるものだ。アウストラロピテクス属はその後、我々現生人類も含むヒト属(Homo)を生んだと考えられている。  今回の発見には、これまで見つかった中で最大のヒト科犬歯や、アウストラロピテクス属として知られるうちで最古の大腿骨などが含まれ、この発見によってアナム猿人が生息していたとみられる地域がエチオピアへ広がったと、Whiteたちは述べている。新化石が発見されたエチオピアのミドルアワシュ地区は、過去にアナム猿人の化石が出土したケニアのトゥルカナ盆地から北へおよそ1,000 kmの位置にある。

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