オランダの運河から、生物学では予想もされなかったライフスタイルを協力して営む、2種類の微生物からなるタッグチームが見つかった。細菌の一種と古細菌の一種からなるこのコンビは、酸素のない状況でメタンを酸化しており、農業排水の主成分である硝酸塩を分解することによってこうした離れ業を成功させている。 M Strous率いる生態学グループは、オランダのTwentekanaalという酸素の欠乏した水路で、この仲良しコンビを偶然発見した。このような代謝生活がこれまでまったく無視されてきたのは、熱力学的な理由からではない。単に、誰もこんなやり方を実際に見たことがなかっただけのことである。 この微生物は、どちらもこれまで命名されていない生物種に属し、実験室で培養されたこともなかった。しかし世界各地の酸素の不足した淡水中に同じような生物が存在することから、施肥した農地から排出される硝酸塩の地球規模での循環には、このようなライフスタイルが大きく寄与しているものと思われる。