Nature ハイライト
Cover Story:クロマチンのもつコードを解読:ヌクレオ ソームの配置はDNA の塩基配列によって 調節されている
Nature 442, 7104
真核生物のゲノムは、in vivoでは裸のままのDNAではなく、クロマチンとよばれる複合体の形で存在する。クロマチンはヌクレオソームを含んでおり、これはヒストンタンパク質のコアの周りに短いDNAが固く巻きついてできたもので、そこにはほとんどのDNA結合タンパク質が入り込めないため、リプレッサーの働きをする。今回、計算的手法と実験とを組み合わせて、ヌクレオソームにどのようなDNA塩基配列が多いかが明らかにされ、ゲノム全域におけるヌクレオソームの構造が予測された。酵母のゲノムにはヌクレオソームの構造が内在的に符号化されていて、in vivoでのヌクレオソームの配置のほぼ半数はこれによって決まることがわかった。この配列に関するコードは真核生物全体にわたってよく保存されていて、転写因子を結合部位へと誘導したり、染色体がもつほかの特殊な機能の多くを助けたりしている。News and Viewsでは、ヌクレオソームの配置に関して、DNA塩基配列やほかの制御因子がもつ役割が論じられている。
2006年8月17日号の Nature ハイライト
免疫:鳥インフルエンザワクチンの問題点
宇宙:銀河誕生の瞬間
宇宙:浮上する氷冠
物理:いつでも回転できるスピンキュービット
物理:スキルミオンにかかわる進展
視覚:ものの見つけ方
細胞:幹細胞を元気にするNotch
細胞:がん幹細胞の正体