Nature ハイライト 物理:いつでも回転できるスピンキュービット 2006年8月17日 Nature 442, 7104 実際に応用可能な量子ビットの実現に関して最も有望そうな方法の1つは、半導体量子ドット中の単一電子のスピン状態を用いるものである。このようなスピンキュービットに関する詳細な考えはほぼ10年前に発表された。それ以来、長寿命スピン状態や電子スピンの初期化など、これを実現するために必要な要素が相次いで報告されてきた。今回、最後の最も困難なステップが達成された。これは、個々の電子にコヒーレントなスピン振動を起こすというもので、量子演算を実行する際に必要である。このステップは、2重量子ドット系の近くのチップ上で発生させた電子スピンの歳差周波数と共鳴する振動磁場をかけることで実現された。今や、ユニバーサル量子論理ゲートを設計するすべての材料が整ったのである。 2006年8月17日号の Nature ハイライト 免疫:鳥インフルエンザワクチンの問題点 宇宙:銀河誕生の瞬間 宇宙:浮上する氷冠 物理:いつでも回転できるスピンキュービット 物理:スキルミオンにかかわる進展 視覚:ものの見つけ方 細胞:幹細胞を元気にするNotch 細胞:がん幹細胞の正体 目次へ戻る