Nature ハイライト

考古学:古代ギリシャの天文計算機

Nature 444, 7119

「アンティキティラの機械」は青銅製の複雑な構造体で、1901年にギリシャのアンティキティラ島沖の難破船から、壊れてばらばらになった状態で発見された。これは、紀元前2世紀末ごろに作られたもので、30個の青銅製の歯車が組み合わさっており、天文にかかわる多くの文字も刻印されていた。この機械は、技術的にみて少なくともその後の千年間で最も複雑な装置であり、太陰太陽暦を表示するために使われていたが、その具体的な機能については議論が続いている。今回、英国とギリシャの共同研究チームが、残存している断片の表面の撮像とX線トモグラフィに基づいて、この装置を復元した。その結果、歯車が作動する仕組みが明らかになり、解読できた文字の数も倍増した。この機械は、太陽、月、地球からなる系の運行を予測する精密な装置だったようで、世界最古のアナログ計算機と言うに足るものだ。

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