Nature ハイライト

細胞:細菌のタンパク質注入装置

Nature 444, 7119

III型分泌系(T3SS)は細菌の細胞小器官で、細菌タンパク質を真核細胞内に送り込むのに使われる。この機構は最初にいくつかの病原性細菌で見つかったが、ゲノム探索により、動物あるいは植物に共生したり、それらに対し病原性をもつほかの多くの細菌にも存在したりすることが明らかになった。J GalánとH Wolf-Watzは、T3SSの作用機序に関する最近の研究を概説している。病原性細菌がT3SSをもつことから、この装置は新しい抗菌戦略の標的となる可能性があり、また、治療あるいはワクチン投与の目的でタンパク質を送り込む際にも活用できるかもしれない。

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