Nature ハイライト

遺伝:スプライシングの選択肢

Nature 444, 7119

スプライシングの過程を選択できることにより、1つの遺伝子から複数種のタンパク質が生産できるようになっている。今回、新たな種類のRNAマップにより、ある短いRNA配列の位置が、脳で制御される選択的スプライシングの方法にどのように影響を与えているかが明らかになった。選択的スプライシングは、脳の情報処理過程の複雑さを高めていることが知られているが、それがどのように調節されているのか、またどのようにして制御不全に陥って疾患を発症させることがあるのか、正確なところは不明であった。今回得られたマップは、バイオインフォマティクス、生化学、および遺伝学的知識を組み合わせることにより、マウスでニューロン特異的なRNA結合タンパク質Novaのスプライシング・エンハンサー活性またはサイレンサー活性を調節する一連の規則を明らかにするものである。この結果は、学習や記憶などの脳の機能、神経疾患やがんの生物学的性質に対する我々の理解にかかわってくる。

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