Nature ハイライト

医学:筋ジストロフィーの幹細胞治療

Nature 444, 7119

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの有効な治療法はいまだに存在しないが、新たな研究によって、将来の幹細胞治療用として有望な細胞種が見つかり、これらの細胞を用いた臨床実験への論理基盤が確立された。この研究では、ヒトの筋ジストロフィーの病状に相当する唯一の大型動物モデルであるジストロフィーを発症したゴールデンレトリバー種のイヌへ、野生型イヌの中胚葉性血管芽細胞(血管に関係する幹細胞)を移植して成功を収めている。移植後の筋肉の構造および機能に大幅な改善がみられ、筋繊維でのジストロフィン発現が増大し、自発運動に先例をみないほどの改善が認められたのである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度