Nature ハイライト 化学:電池1個で動く有機回路 2007年2月15日 Nature 445, 7129 有機トランジスターや有機回路は、未来型ロールアップ・ディスプレイ、ヒューマノイドロボットの適応型センサーおよびユビキタスRFIDタグの実現に大いに有望である。しかし、今日の有機回路は、電池10〜20個に相当する15〜30ボルトの動作電圧を必要とし、これらの電池を1日で使い果たすほどの電力を消費する。この大きな障害を乗り越えるため、H Klaukたちは、1.5ボルトの電池1個で数年間動作する有機回路を作製する方法を開発した。この方法のポイントは、わずか1分子の厚さの層状絶縁体有機材料を使用することである。この層は非常に薄いにもかかわらず、漏れ電流が少なく、静電容量が大きい。異なる2種類の有機半導体を使用して、トランジスター、論理ゲート、リングオシレーターが作製されている。 2007年2月15日号の Nature ハイライト 動物の集団行動:一致団結の妙 物理:プラズマで速やかに加速 地球:地球の音楽 環境:進化の潜在能力を調べる 進化:こいつは家族ではない 宇宙:暗黒物質の最も多い銀河 化学:電池1個で動く有機回路 材料:超薄膜で分子を分けてみる 細胞:結節性硬化症にかかわるタンパク質 目次へ戻る