Nature ハイライト 物理:プラズマで速やかに加速 2007年2月15日 Nature 445, 7129 プラズマを利用した粒子加速器は、従来の粒子衝突型加速器で用いられるものより数桁大きな加速場を作り出すことができるため、とりわけ魅力的である。スタンフォード線形加速器センターでの実験で、高エネルギー電子ビームを用いたプラズマ航跡場加速器の駆動に成功した。この種の加速器では、レーザーパルスなどの後に続く強い電位勾配すなわち「航跡場」を利用して、粒子を駆動する。今回は並外れた加速が観察され、入射電子のごく一部については、長さ3キロメートルの本格的なSLAC加速器で実現されたのと等価なエネルギー利得が、長さ1メートル未満で得られた。これは、高エネルギー物理学に応用できるプラズマ加速器の実現可能性の実証に向けた重要な一歩である。 2007年2月15日号の Nature ハイライト 動物の集団行動:一致団結の妙 物理:プラズマで速やかに加速 地球:地球の音楽 環境:進化の潜在能力を調べる 進化:こいつは家族ではない 宇宙:暗黒物質の最も多い銀河 化学:電池1個で動く有機回路 材料:超薄膜で分子を分けてみる 細胞:結節性硬化症にかかわるタンパク質 目次へ戻る