Nature ハイライト 宇宙:暗黒物質の最も多い銀河 2007年2月15日 Nature 445, 7129 矮小楕円体銀河は、ほとんどが暗黒物質からなっていて、この銀河に分類されるものの中では、りゅう座やこぐま座の矮小銀河、アンドロメダIXが最も「暗黒度」が高い。このような銀河の形成を説明するために提案された既存モデルでは、これらの銀河が暗黒物質を予想外に大量にもつことや、ずっと大きな銀河の近傍にあることを説明できない。Mayerたちは今回、これらの銀河の前駆天体がおそらく大部分ガスからなる矮小銀河であって、ほかの矮小楕円体銀河よりも早く大銀河の伴銀河になったことを示すシミュレーションについて報告している。およそ100億年前に、潮汐衝撃波とラム圧が前駆天体からガスをすべてはぎとり、その後のわずかな星の成分がはるかに大質量の暗黒物質ハローの中に取り残され、これを我々が見ているのだ。 2007年2月15日号の Nature ハイライト 動物の集団行動:一致団結の妙 物理:プラズマで速やかに加速 地球:地球の音楽 環境:進化の潜在能力を調べる 進化:こいつは家族ではない 宇宙:暗黒物質の最も多い銀河 化学:電池1個で動く有機回路 材料:超薄膜で分子を分けてみる 細胞:結節性硬化症にかかわるタンパク質 目次へ戻る