Nature ハイライト 細胞:結節性硬化症にかかわるタンパク質 2007年2月15日 Nature 445, 7129 TCTPというタンパク質は哺乳類細胞の発癌に関係するとされてきたが、in vivoでの役割については解明されていない。今回ショウジョウバエを使った研究から、TCTPとTSCシグナル伝達系の間に重要なつながりがあることが明らかになった。結節性硬化症(TSC、あるいは結節性硬化症複合体)は全身に良性腫瘍が多数できる症候群で、癌抑制遺伝子TSC1とTSC2のどちらかが変異するために起こる。また、TSCシグナル伝達系は増殖制御にかかわる保存された経路である。ショウジョウバエで得られた遺伝学的、生化学的証拠から、Rasスーパーファミリーに属するGTPアーゼでTSC経路の構成成分でもあるRhebを、TCTPが直接制御することがわかった。つまりTCTPは、結節性硬化症の治療の標的になるかもしれない。 2007年2月15日号の Nature ハイライト 動物の集団行動:一致団結の妙 物理:プラズマで速やかに加速 地球:地球の音楽 環境:進化の潜在能力を調べる 進化:こいつは家族ではない 宇宙:暗黒物質の最も多い銀河 化学:電池1個で動く有機回路 材料:超薄膜で分子を分けてみる 細胞:結節性硬化症にかかわるタンパク質 目次へ戻る