Nature ハイライト 環境:進化の潜在能力を調べる 2007年2月15日 Nature 445, 7129 種が豊富に存在する地域、中でも固有種の多い地域は特に、保全活動の候補地となることは明らかのように思える。しかし、こういう見方をした場合、生態系内の動植物がもつ進化の潜在能力はほとんど考慮されない。地球全体の環境が急激に変化する公算が大きい現在、進化過程の保全が優先課題の1つであるとする認識はますます高まっている。南アフリカのケープ地区にある、よく知られている植物相の生物多様性ホットスポットが今回詳細に分析され、示唆に富む結果が得られた。それによると、種の豊富なケープ西部のほうが、あまり注目されていない東部よりも進化の潜在能力は低い。東部は西部より種数が少ないが、系統的多様性(生物多様性の指標の1つで、一群の種をつなぐ進化経路の長さを測る)は西部よりも大きいのである。この知見は、保全計画立案に重大な影響を及ぼすものだ。 2007年2月15日号の Nature ハイライト 動物の集団行動:一致団結の妙 物理:プラズマで速やかに加速 地球:地球の音楽 環境:進化の潜在能力を調べる 進化:こいつは家族ではない 宇宙:暗黒物質の最も多い銀河 化学:電池1個で動く有機回路 材料:超薄膜で分子を分けてみる 細胞:結節性硬化症にかかわるタンパク質 目次へ戻る