Nature ハイライト 宇宙:輝かしくも遠い過去 2007年3月8日 Nature 446, 7132 矮新星は激変星、つまり明るさが激変する変光星の一種で、そこでは重力崩壊した白色矮星へ、連星系を作っている相手の赤色矮星から物質が降着している。この系は不安定なため、周期的に大量の物質がこの白色矮星に流れ込んで、明るさが百倍にまで達することがある。古典的な新星は矮新星より数千倍明るく、周囲を取り巻く殻の形成を伴っている。理論的には、矮新星は最終的に十分な質量を獲得して古典的な新星爆発をおこすと予想されている。今回、矮新星きりん座Z星(Z Cam)を取り巻く古い新星の殻が見つかったことで、矮新星と古典的新星との間に予想されていたつながりが、観測によって確かめられた。殻の性質から、Z Camは数千年前に古典的な新星爆発を起こし、その後数日間は全天で最も明るい星の1つとなったと考えられる。 2007年3月8日号の Nature ハイライト 創薬:苦い薬 遺伝:癌遺伝子の総ざらい 宇宙:輝かしくも遠い過去 宇宙:火星にあまねく広がる水 物理:2つの近藤効果 材料:シリコンの微小構造体 細胞:よりシンプルになった皮膚再生モデル 脳:場所の知覚 植物:表皮が植物のサイズを決める 目次へ戻る