Nature ハイライト

Cover Story:リンネの遺産:300年にわたって世界に秩序をもたらした研究

Nature 446, 7133

2007年はリンネの生誕300年記念祭が開かれるが、Natureもそれに加わって、系統ゲノム学の現状や絶滅危惧種保護法の政策、アマチュア分類学者の役割に関する評価などが盛り込まれている特集を今週号で組んでいる(p.246〜)。2本のCommentary(pp.259, 261)では、生命科学の他分野の急速な進展にもかかわらず、リンネの分類体系の遺産を守り続けることの問題点と新たに命名された種名を広く知らせることのむずかしさが論じられている。S Müller-Wille(p.268)は、『自然の体系』(Systema Naturae)の中で述べられている「ちょっとエロティックな」概念が、趣味としての分類学の人気を盛り上げてきた可能性について解説している。また、p.279とp.312の論文はリンネ色の濃いテーマを扱っており、これはリンネの権威が生物学研究の世界でまだちゃんと通用していることの証となる。その気になってよく探せば、おそらくほかにも同じような例が見つかるはずだ。表紙は、Kraftのリンネの肖像(1774年)をもとにしたJovan Djordjevicの作品(ロンドン・リンネ学会の許可を得て掲載)。

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