Nature ハイライト 植物:根と枝の幹細胞 2007年4月12日 Nature 446, 7137 植物では、一見異なる2種類の幹細胞ニッチがあって、絶えず分裂して新しい組織や器官を形成している根および茎の分裂組織にそれぞれ存在している。これまでの研究は、これら2つの系がもつ発生様式や制御遺伝子の違いに注目してきたが、今回Sarkarらは、2つの間に密接な機構的関連があることを明らかにした。両方のニッチで、シグナル伝達中心近傍の幹細胞を未分化のままに維持するのに、シュートではWUSCHEL、根ではWOX5という近縁の転写因子が用いられており、これら2種類の転写因子はいずれの分裂組織でも正常な機能の維持に働いている。この知見は、現在の高等植物の祖先である陸上植物で、根とシュートが分離する以前に幹細胞調節システムが形成されたことを示す分子的証拠となる。 2007年4月12日号の Nature ハイライト 宇宙:「地球のそっくりさん」探し 進化:みんな平等に 医学:転移を狙い撃ち 細胞:多剤耐性の機構 材料:光で形を変える 生物物理:光合成の原動力 生態:過ぎたるは及ばざるがごとし? 細胞:C型肝炎にかかわる補助因子 植物:根と枝の幹細胞 目次へ戻る